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特集 不眠症の治療と睡眠薬
不眠症の概念とその変遷
The Concept of Insomnia and Its Change till ICD-11
清水 徹男
1,2
Tetsuo Shimizu
1,2
1秋田県精神保健福祉センター
2秋田大学
1Center of Mental Health and Welfare of Akita Prefecture
2Akita University
キーワード:
Primary insomnia
,
Insomnia disorder
,
DSM
,
ICSD
,
ICD
Keyword:
Primary insomnia
,
Insomnia disorder
,
DSM
,
ICSD
,
ICD
pp.927-934
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205668
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はじめに
「毎晩,5時間しか眠れません。私,不眠症でしょうか?」「寝つきに30分かかり,夜中にも1〜2時間目覚めて「ラジオ深夜便」を聴取しています。朝は6時に自然に目が覚め,昼間は元気にゲートボールに参加しています。私,不眠症でしょうか?」「何かで見たのですが,世間の人の3割近くが不眠症なのですか?」こんな質問を患者さんから投げかけられたら,皆さんはどうお答えになるだろうか。不眠と不眠症をめぐっては概念の混乱があり,その混乱に基づいて各種の疫学調査の結果にも大きなばらつきが生じている。さらに,睡眠障害についてはDSMやICD,睡眠障害国際分類(The International Classification of Sleep Disorders:ICSD)など複数の診断基準が存在し,さらにそのversionによって不眠症概念と診断基準が異なるという混乱がみられた。その混乱は,DSM-5,ICSD-3,2018年6月に公表になったICD-11の登場によって一応の終息を迎えたと言えよう。
本稿では,不眠と不眠症の概念について,その変遷を踏まえて解説する。
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