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装置と方法
インピーダンス法による心拍出量の測定法—主として装置と測定手技について
Measurement of Cardiac Output by Impedance Plethysmography
伊藤 寛志
1
Hiroshi Ito
1
1東京女子医科大学第2生理学教室
12nd Dept. of Physiology, Tokyo Women's Medical College
pp.409-413
発行日 1974年5月15日
Published Date 1974/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202628
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生体に微弱な高周波定電流を通電し生体のsegmentから血流変化に伴う脈波波形を記録し,これを数学的処理して血流量を測定しようという理論はNyboerらとBonjerらにより,それぞれ独立に完成されたものである1)2)。また最近多くの研究者はこの方法を用いて心拍出量を求めんと試みている。もし本法が充分な精度を有するものであるならば,これは1回心拍出量stroke vo lume (以下S. V.と略)が連続的にしかも非観血的に測定できるという長所を有する。そしてこの長所は最今急速に発展したpatient monitoring systemにおいて久しく待望されているものでもある。それ故に現在まで多くの研究者により,本法の精度がいかなる程度のものであるかを,種々の稀釈法,Fickの法あるいはpulse coutour法などとの相関実験により推測している4)5)。著者らも数年前本法に著目し,装置を自作,弾性管によるモデル実験,動物実験を行ない,その結果臨床実験をスタートすることができた。以上の実験を通し著者らは本法の原理と精度につき再検討を試みたのみならず,本法の実用限界と誤差の由来についても考察することができた5)8)。本論文の主題は「装置と方法」を解説することにある故,この内容は研究を主題とせず,著者らの経験と試行錯誤により得られた測定回路,手技などに関する事項を中心に講をすすめたい。
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