今月の主題 生体電気インピーダンス
技術解説
胸部および四肢インピーダンス
福岡 正和
1
,
伊藤 寛志
1
,
山越 憲一
2
Masakazu FUKUOKA
1
,
Hiroshi ITO
1
,
Ken-ichi YAMAKOSHI
2
1杏林大学医学部生理学教室
2北海道大学応用電気研究所メディカル・トランスデューサ部門
pp.401-411
発行日 1982年4月15日
Published Date 1982/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911521
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電気的インピーダンスプレチスモグラフィー(im-pedance plethysmography)は,生体に微弱な高周波電流を通電し,測定セグメントのインピーダンス変化からその体積変化を算出するものである.本法は生体にいささかも侵襲を与えない非観血的血流測定法としての長所を有する.すなわち,この方法を胸部に適用すると,心臓からの血液拍出に伴う大動脈の体積変化に起因するインピーダンス変化が得られ,これから1回心拍出量を求めることができる.また,これを四肢に適用し,静脈圧迫法を併用することにより,四肢の血流量も測定できる.この際,測定されるインピーダンス変化は,静脈閉塞に伴って被測定部四肢内に貯留する血液量変化に起因するものと考えられる.
本稿では,インピーダンス法を用いた心拍出量および四肢血流量の非観血的計測法について,原理,測定装置と方法,実測例を述べる.また,インピーダンス法に比べて原理的に精度が高いと考えられるアドミタンス法,すなわちインピーダンスの逆数を被測定量とする手法についても,各項目の中でインピーダンス法と比較しつつその特徴を明らかにしたい.
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