呼と循ゼミナール
false trigger pacing
谷口 興一
1
1東京医科歯科大学第2内科
pp.238
発行日 1974年3月15日
Published Date 1974/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202606
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Pacemaker植込み開始後に起こる頻拍発作を伴なった症状群はpacemaker syndromeと呼ばれている1)2)。しかしながらこの症状群は異常なpacemaker刺激のために生ずるものではなく,至適心拍数との解離により起こる一種のtachycardia syndromeと考えられている。その概念は,(1) pacing開始後に発生する。(2)動悸,胸痛,胸内苦悶,狭心症様発作,顔面紅潮,冷汗などの症状群を呈する。(3)心房拍動数の増加,などがあげられている。著者のfalse trigger pacingは頻拍発作を呈してはいるが,pacemaker自体によるpacingの異常がみられ,すなわちpacemaker impulseそのものが異常に増加し,本来のrateの約2倍に達し,しかも心筋不応期の終了後に刺激が与えられるので,pace—maker impulseに一致してbeatが生じている。つまりpacemaker刺激のrateが植込み直後から著しく増加したために生じた頻脈症状である。
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