Japanese
English
臨床経験
手根管部腫瘍により生じたTrigger wristの1例
Trigger Wrist Caused by a Tumor in the Carpal Tunnel : A Case Report
黒石 昌芳
1
,
坪田 次郎
1
,
坂田 敏郎
1
,
佃 政憲
1
,
橋本 規
1
,
鵜飼 和浩
2
Masayoshi Kuroishi
1
1高砂市民病院整形外科
2兵庫県立看護大学
1Department of Orthopaedic Surgery, Takasago Municipal Hospital
キーワード:
trigger wrist
,
carpal tunnel
,
手根管
,
fibroma of tendon sheath
,
腱鞘線維腫
Keyword:
trigger wrist
,
carpal tunnel
,
手根管
,
fibroma of tendon sheath
,
腱鞘線維腫
pp.1117-1119
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902529
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抄録:手根管部に発生した腱鞘線維腫によるtrigger wristの1例を経験した.症例は24歳男性,主訴は左中指と環指の弾発である.弾発現象は,中指を自動的に屈曲位から伸展すると中指および環指に認めるが,他動的に屈伸しても弾発現象は認めなかった.術中所見では,手根管部を開放すると正中神経および浅指屈筋腱には異常は認めなかったが,中指の深指屈筋腱から発生した小指頭大の腫瘍を認め,それが弾発の原因と考えられ,腫瘍と中指深指屈筋腱の一部を含めて切除した.術後1年の現在,症状は消失し腫瘍の再発も認めていない.trigger wristは屈筋腱やその腱鞘より発生した腫瘍によるものが多く報告されている.臨床的にも,手根管症候群を合併することが多く術前に手根管部の精査が必要であると思われた.
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