Japanese
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ジュニアコース
Polygram判読上の注意とその根拠—心時相分析を中心に
Notes on Polygraphic Interpretation
木下 安弘
1
,
小川 道一
1
Yasuhiro Kinoshita
1
,
Michikazu Ogawa
1
1千葉大学医学部第二内科学教室
1The Second Clinical Department of Internal Medicine, Chiba University School of Medicine
pp.237-243
発行日 1973年3月15日
Published Date 1973/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202474
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Polygraphyは,二つ,あるいは,それ以上の現象を同時にグラフに記録する方法である。Marey (1870)はグラフ的な記録を試みた最初の人であり,また,動物に心カテーテル法を行ない,心内,および,心外の拍動を比較したといわれる。Wood32)によれば,polygramを臨床に用い,その応用と発展に努力したのは,Mackenzie(1902)である。Mackenzieは,頸静脈波と櫨骨動脈波を同時に記録し,多くの不整脈を各グループに区分した3)。しかし,今世紀の初めにおけるpolygraphyの発展とともに,すぐれた心臓病学者達を悩ました問題は,観測誤差を別としても,いろいろな装置によりえられたpolygraphic recording相互間の時差,換言すれば,装置に由来しない,各現象における同時性の確定であった30)。
近代の循環器病学においては,心脈管現象を,電気的,聴覚的,および,機械力学的ないろいろの面から,同時に記録し,そのできごとについての一連の情報をえようとする。Polygraphic recording発展の歴史を眺めると,二つの大きな傾向をみることができる。一つは,そぼくな臨床における現象の記録から始まって,次第に高度な病態生理の理論化に向かう傾向であり,もう一つは,polygraphyにより複雑で,被検者検者・双方に負荷の多い観血的検査法から,より負荷の少ない非観血的方法に向かおうとする傾向である。
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