Japanese
English
綜説
頸動脈洞神経電気刺激療法の底にある問題
Some Fundamental Problems Arising in Treating by the Electrical Stimulation of the Carotid Sinus
斎藤 十六
1
Soroku Saito
1
1北里大学医学部内科学教室
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Kitasato University
pp.201-208
発行日 1973年3月15日
Published Date 1973/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202470
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Ⅰ.頸動脈洞神経(CSN)電気刺激の臨床
近年,ペーシングの進歩で,CSNの電気刺激ができるようになり,これによって,交感神経緊張を阻止して,心拍数,動脈圧,および,心収縮性を抑制し,心の酸素需要を減らすことができるようになった1)。
外科的に電導子をCSNのまわりにおく。これらの電導子はradio frequency receiverに連結され,系を完全に植込む。Battery powered external pulse generatorは,そのインパルスをアンテナ・コイルに指向させ,アンテナ・コイルは,レシーバーをおおう皮膚の上におく。inductive couplingを介して,generatorからの信号はレシーバーに伝えられ,波形のshaping後,インパルスは電導子を介してCSNに適用される。このインパルスは血管運動神経中枢への求心インパルスを増し,交感神経緊張を抑制し,迷走神経(副交感神経)緊張を亢進させる。Dunning, A. J. (1971)2)の症例は,いずれも,長い狭心症の既往歴をもっており,内科的には手当に不応のものばかりであった。全12例に,ニトログリセリンとβ受容体ブロック薬を使ったが,自覚症は良くならず,心冠疾患の合併症のために入院したものである。全例とも既往歴,ニトロ薬の消費,一定条件下の運動負荷によって,いわゆる労作不能型に入るものであった。
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