Japanese
English
装置と方法
レーザー光線による血流測定—レーザー・ドップラー法による拍動血流速計測
Blood Flow Measurement by Laser Beam : Pulsatile Blood Flow Measurement by Laser Doppler Method
森川 幸月
1
Satsuki Morikawa
1
1東京大学医学部医用電子研究施設
1Institute for Medical Electronics, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.131-138
発行日 1973年2月15日
Published Date 1973/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202462
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.In vitro法
光学的ドップラー効果は,天文学で毎秒何百キロメートルの速度で動く天体の動きを知るのに用いられた。これに対し,ミクロ的には気体の原子や分子の熱運動をしらべるのに,スペクトル線のドップラーによる広がりが利用されてきた。これらの研究は,分光写真器によってなされたため,分解能に限りがあった。分光写真で数%の精度をえるには,波長のズレΔλ/λが少くとも10−4でなくてはならず,これは速度約3×104m/秒に相当する1)。光学的ヘテロダイン(または光混合法)は,良い分解能を有するが,レーザーの出現以前は使用困難であった。
光学的ヘテロダイン法は,Forresterら2)(1955)により,ゼーマン効果の要素としてレーザーの出現以前に用いられた。コヒーレント光でなかったため,S/N比は非常に低かった(3×10−5)が,捻りは観測された。レーザーの出現とともに,光合成法は研究室で実用的になり,主として光学通信分野で開発された。光学的ドップラー計測は,コミュニケーション系に及ぼす大気の乱流の影響を研究するのに,光合成法を用いて行なわれた。翻って,光合成法を用いて光のドップラー周波数測定による流速計測も可能であろう。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.