Japanese
English
綜説
赤血球のレオロジー
Rheology of Erythrocyte
松信 八十男
1
Yaso'o Matunobu
1
1慶応義塾大学物理学教室
1Department of Physics, Keio University
pp.96-103
発行日 1973年2月15日
Published Date 1973/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202459
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最近,血液に関するレオロジー的研究が著しく進展し,数多くの成果が発表されつつある。生命維持の見地から,赤血球およびこれを生体組織内に送り込む血流や血管の受け持つ役割は重大であり,これらの機能をレオロジーの立場で究明する必要性はますます増加する傾向にあるといえよう。また,物理的な性質を比較的容易に定めることが可能であるために,血液は実験的にも理論的にも取り扱いやすく,このためにも血液レオロジー(hemorheology)が生物レオロジー(biorheology)の中でもっとも研究者の関心を集めている分野であるといえる。
血液レオロジーに関して,これまで多くの綜説が発表されている1)〜12)。しかし,血液の中の主要な成分である赤血球については,血液の一部として断片的に取り上げられているに過ぎない。ここでは,特に赤血球に注目し,これを中心とするレオロジーないしは流体力学的研究のいくつかを綜説の形にまとめてみよう。
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