特集 末梢気道の病変
細気管支炎,特に急性型を中心として
松葉 健一
1
,
重松 信昭
2
,
西木 幸男
1門司鉄道病院呼吸器内科
2九州大学医学部胸部疾患研究所
pp.47-57
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203002
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細気管支炎に関する最初の報告は,1835年Reynaud1)によりなされているが,最近まではむしろ小児科の疾患として知られており,成人において,臨床的にこの領域(細気管支・終末細気管支・呼吸細気管支など)の病変に関心がむけられるようになったのは比較的新しいことである。
すなわち,1953年Spainら2)によって主として形態学的な立場から注目され,その後は閉塞性肺疾患とくに肺気腫の成因論と関連して,しばしば論議の対象となってきた。そして,1968年にHoggら3)がSmall airwaydiseaseの概念を発表して以来,呼吸生理学的にではあるが,細気管支領域の閉塞性病変が,それまでは全く指摘されなかったかあるいは正常と考えられていた症例に数多く見出されるようになった。これに対する臨床的アプローチは,Macklemら4)を中心としたMcGill大学の一派により積極的に行われ,この領域の病変に対する関心が急速に高められてきた。
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