Japanese
English
Bedside Teaching
原発性肺高血圧症
Primary Pulmonary Hypertension
原沢 道美
1
,
吉良 枝郎
2,3
Michiyoshi Harasawa
1
,
Shiro Kira
2,3
1東京大学医学部老年病学教室
2東京大学医学部第三内科学教室
3現順天堂大学医学部呼吸器科
1Department of Geriatrics, School of Medicine, University of Tokyo
2Department of Internal Medicine, School of Medicine, University of Tokyo
pp.1067-1072
発行日 1972年12月15日
Published Date 1972/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202445
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肺動脈圧の測定には右心カテーテル法が必要であるが,それが正常値以上に上昇した場合を肺高血圧と呼び,その正常値の上界は収縮期圧30mmHg,拡張期圧18mmHg,中間圧22mmHgとされている。肺高血圧は高地環境においては健康人にも認められるが,普通の環境では種々の心・肺疾患に随伴したり,続発したりすることが多い1)。しかし,生前明らかに肺高血圧が認められ,これに由来する右室不全で死亡したにもかかわらず,剖検によっても心肺のいずれにもその原因と考えられるものがみあたらず,原発性肺高血圧症primary pulmonary hypertensionと名づけられている症例があり,目下その成因や病態をめぐつて種々議論されている2)。
そこで,以下原発性肺高血圧症について少しく解説してみたいと思うが,臨床的に本症を診断するためには,肺高血圧症の成因や原因疾患などについての知識が必要となるので,それについてまず簡単にふれてみたい。
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