Japanese
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ジュニアコース
検査の限界(Ⅲ)臨床検査における血液ガスの問題点とその限界
Clinical evaluation of the blood gas measurement
長野 準
1
,
井上 とら夫
2
Hitoshi Nagano
1
,
Torao Inoue
2
1国立療養所南福岡病院
2香稚病院
1National Sanatorium South Fukuoka Hospital
2Kashii Hospital
pp.395-400
発行日 1972年5月15日
Published Date 1972/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202379
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血液ガスの分析値にはいろいろの表現方法がある。すなわち,O2とCO2の含量を表わすO2 content CO2,CO2 content CCO2,O2運搬能を表わすO2飽和度SaO2さらにO2およびCO2の分圧を表わすPO2,PCO2,また酸—塩基平衡を表わすpHがある。これら幾通りかの表現を必要とするということは,血液ガスが多くの複雑な性質を持っているとともに,それらが互いに密接な関連のもとで,生体のガス代謝を支えていることを意味する。今日では,これらの生理学的意味はほぼ理解され,それに基づいて血液ガス諸値を相互に求める方法も確立されてきた。
血液中のO2およびCO2含量を測定するには,検圧測定法manometric methodを応用するvan Slyke-Neill(1924)法によって行なうのが常道である。これによるとO2,CO2 contentおよびSaO2を直接に求めることができるからである。これらの分析値からnomogramと計算式に頼れば,try and errorにより他の諸値も求めることが可能である。
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