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日常検査の限界
小酒井 望
1
1順天堂大臨床病理学
pp.1829-1830
発行日 1970年12月10日
Published Date 1970/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203442
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病院の中央検査室や臨床検査センターで行なわれる臨床検査の種目の数は年々増加しつつある.そしてこれら検査施設での検査件数も一様に増加の一途をたどっている.患者1人当たりの検査件数も当然増加しているとみてよい.多種類の検査を行なうことによって診療内容が向上することは当然で,患者の方からも検査を希望し,検査を受けることによって満足する傾向も出ている.しかし臨床検査をたくさんやれば,それだけで診断がつき,良い治療ができるというわけではない.Laboratory diagnosisとPhysical diagnosisが相まって,はじめて良い診療ができることは今さらいうまでもないことである.
ところでどの臨床検査でも,その検査で知りうる限界がある.日常しばしば使用される臨床検査をとりあげ,その「限界」を今年1年間本誌で連載した.この連載のまとめとして,日常検査の限界をふり返ってみたいと思う.
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