特集 NST
NSTの問題点と限界
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.719-725
発行日 1995年9月25日
Published Date 1995/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901314
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はじめに
カナダ(マニトバ)の統計によると,1977年には,周産期死亡の中で新生児死亡より胎児死亡が多かった(1000例について7:8)が,1986年にはほぼ同数となり,1993年には新生児死亡が胎児死亡を上回っている(3.7:1.8)1)。胎児死亡減少の背景には分娩前胎児管理試験の浸透,改善があるといえよう。
また,ハイリスク妊娠に胎児管理試験を行なって妊娠経過を監視したほうが,正常妊娠で分娩前胎児管理試験を行なわなかったケースより修正周産期死亡(致死的奇形を除いた周産期死亡)率が低い(1.86/1000:7.69/1000)ことも明らかにされている1)。
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