Japanese
English
特集 Large airwayとSmall airway
臨床の立場からみたLarge airwayとSmall airway
Clinical Aspects of Large Airway and Small Airway
長野 準
1
,
富岡 真一
1
,
井上 とら夫
1
Hitoshi Nagano
1
,
Shinichi Tomioka
1
,
Torao Inoue
1
1国立療養所南福岡病院
1National Minami Fukuoka Chest Hospital
pp.573-579
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202920
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10年ほど前までは,肺機能検査によっては検出が困難とされていたsmall airwayの病変が,最近のflowvolume曲線の解析,closing volumeの測定あるいはdynamic complianceの周波数依存性を用いれば検出されるといわれている。small airwayの変化は,慢性閉塞性肺疾患の初期のsubclinicalなときにはじまる共通の変化とも考えられている。これの可逆的時期に進展を予防し治療するためには,これの早期発見しかない。これがため今日では,気道閉塞の局在性をlarge airwayとsmall airwayとに区別して,整理し直そうとする試みが生じている。
しかしこれらの検査では,それぞれの検査に反映されるsmall airwayの閉塞メカニズムは,必ずしも同じではない。また気道閉塞がlarge airwayにも及んでいる場合は,small airwayの変化がこれにmaskingされてしまう可能性もあるので,臨床に広く応用するにはいろいろの問題が残されている。一方large airway閉塞の変化は,small airwayのそれの進展したものとして,改めて理解しなければならない。
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