Japanese
English
原著
酸塩基調節にかんする臨床的研究—正常例および代謝性障害例について
Clinical Studies on Acid-base Regulation:Normal Values and Respiratory Compensation for Metabolic Disturbances
福井 俊夫
1
,
中村 功
1
,
横山 剛
1
,
臼田 幸子
2
,
佐々木 昭子
2
Toshio Fukui
1
,
Koh Nakamura
1
,
Takeshi Yokoyama
1
,
Sachiko Usuda
2
,
Shoko Sasaki
2
1横浜警友病院内科
2横浜警友病院臨床検査科
1Internal Medicine, Yokohama Keiyu Hospital
2Clinical Laboratory, Yokohama Keiyu Hospital
pp.243-248
発行日 1972年3月15日
Published Date 1972/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202364
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生体の酸塩基調節機構は,腎,肺,血腋,組織細胞などの複雑な働きによって成り立っており,呼吸性酸塩基平衡障害は代謝性因子の変化を,また代謝性酸塩基平衡障害は呼吸性因子の変化をひき起すことが知られている。したがって,すべての酸塩基状態は代謝性因子と呼吸性因子の組合せにおいて二次元的に理解すべきものであり,正常例にかんしてもそれぞれの因子の正常値を別々に決めるよりも,代謝性因子と呼吸性因子を組合せた平面上での正常範囲を決定する方がより妥当と考えられる。
私どもはさきにPCO2とHCO3−を組合せた表示法を用いてchronic stable hypercapnia症例のsignificance bandを作って報告したが1),今回は正常例に同様の表示法を用いて正常範囲を示す楕円を作り,さらに代謝性アシドーシス,アルカローシス症例についてもsignificance bandを作成した。また,代謝性障害例の治療後の酸塩基状態についても若干の知見をえたので報古する。
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