Japanese
English
ジュニアコース
呼吸性酸塩基調節障害
Respiratory Disturbances in Acid-Base Balance
横山 剛
1
Takeshi Yokoyama
1
1横浜警友病院内科
1Department of Internal Medicine, Keiyu Hospital, Yokohama
pp.1055-1062
発行日 1969年12月15日
Published Date 1969/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202097
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Ⅰ.酸塩基調節における呼吸の役割
生体の酸塩基調節機構は,体液の各種緩衝系(重炭酸系,燐酸系,血漿蛋白,ヘモグロビン)のはたらきを,肺と腎によって調節されていると考えてよいであろう。体内に産生あるいは注入された酸やアルカリを,体外に処理しているのは肺と腎であり,その機能に異常をきたした場合には,生体は重大な酸塩基調節の障害を蒙むることになる。肺が1日に排泄する炭酸の量は実に13,000mMに達するが,血液の緩衝価(pH1.0を変化させるに要するHClの量)は,せいぜい90〜100 mEq/lであることからもこのことは理解できる。
従来から酸塩基平衡における呼吸性因子としては動脈血PCO2がとられているが,これは重炭酸系におけるHenderson-Hasselbalchの式から容易に理解できる。
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