巻頭言
医学と工学の境界
金井 寛
1
1上智大学理工学部
pp.535
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202278
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自然科学の進歩は近年特に急速になり,広い分野を理解することが益々困難になってきた。例えば電気工学では,学問的および工業的に現在の中心課題である固体電子工学,マイクロ波工学,情報工学などは何れも最近十数年の間に進歩したものであり,これらを理解しないとトランジスタ,信号伝送,計算機などを使うことができない。しかしこれらは何れも難解で我々が一人で全ての分野の最先端を理解することは仲々困難である。従って各個人の対象は益々細分化,専門化される傾向にある。
一方ある分野の業績が他の分野の著しい進歩を促したことがしばしばあり,このような観点からは各分野間の相互理解が強く望まれる。
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