[連載] 最近の外国業績より
境界領域
日本医科大学小児科学教室
pp.292-295
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002968
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背 景 腸重積は,乳幼児における急性腸閉塞の最も一般的な原因である.乳幼児における腸重積の平均発生率は乳幼児10万名あたり74名であるが,アジア諸国における腸重積の発生率は,乳幼児10万名あたり100~300名と,米国やラテンアメリカよりもはるかに高い.1999年,ロタウイルスに対する最初のワクチンが使用されたが,腸重積のリスク増加との関連から中止された.ロタテック®,ロタリックス®の両ワクチンは大規模な認可前試験で腸重積のリスクは増加せず広く使用されている.しかし,接種後の集団ベースの研究では反対に腸重積のリスクの増加が報告されている.オーストラリア,ブラジル,メキシコ,米国で実施された,いくつかのコホート研究や症例対照研究では,ワクチン接種後の腸重積症の発生率が有意に増加し,相対危険度はワクチン接種児10万名あたり約1~5名であったと報告されている.本研究では,韓国におけるワクチン導入前(2002~2006年)と導入後(2009~2015年)の腸重積の発生率を調査した.
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