Japanese
English
装置と方法
腸管の容積脈波
Plethysmographical Study of the Gut
三島 好雄
1
,
加賀美 尚
1
,
桐渕 義康
1
Yoshio Mishima
1
,
Hisashi Kagami
1
,
Yoshiyasu Kiribuchi
1
1東京大学医学部第1外科学教室
11st Department of Surgery, University of Tokyo Faculty of Medicine
pp.783-787
発行日 1970年9月15日
Published Date 1970/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202186
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はじめに
腸管は消化吸収機能を営むために多量の血流を必要とし,その血流量は腹腔領域の血流の約60%を占めるとされている。したがって血流障害がおこるとその支配領域の腸管に多彩な病変をおこすのみならず,ショックなど全身的な血行動態の異常のさいにも,腸管領域の血行動態のもつ意義は重要で,近年この方面でも多数の業績が発表されて諸家の注目の的となっている。しかるに腸管血流の生理・病理については測定の困難なことなどから未だ十分に解明されているとはいえず,とくに腸管壁自体の血流についての知見が乏しかった。従来行なわれている腸管領域血流の測定は,電磁流量計や静脈還流量の測定,あるいは薬物・isotopeなどのclearance法などが一般的であって,これらの方法はいずれも腸間膜血管主幹部におけるものであり,かつ手術中などに簡単に臨床に応用しえない憾みがある。そこで著者らは簡便に腸管壁の循環状態を推測する目的で光電容積脈波をとりあげ,腸管壁の循環における容積脈波の意義について,実験的ならびに臨床的に検討を加えてみた1)〜3)。以下,著者らの経験について報告し,御批判を仰ぎたい。
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