Japanese
English
綜説
腹部内臓転位を伴った左心症—解剖学的・症候学的検討,特に新しい分類法について
Levocardia with Situs Inversus:Anatomical and Clinical Investigations, with Special Reference to New Classification
中島 一巳
1
,
工藤 竜彦
1
,
横山 正義
1
,
乃木 道男
1
,
今野 草二
1
,
高尾 篤良
1
Kazumi Nakajima
1
,
Tatsuhiko Kudo
1
,
Masayoshi Yokoyama
1
,
Michio Nogi
1
,
Soji Konno
1
,
Atsuyoshi Takao
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所
1Heart Institute Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.765-773
発行日 1970年9月15日
Published Date 1970/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202184
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
levocardia (左心症)という言葉を最初に使用したのはTaussig, H. B.である。腹部内臓が転位しているのに心臓だけが左胸腔内正常位に在る例をみ,situs in—versus with a levocardia と記載している1)。これは本来ならば心臓も他臓器と同様転位した状態,すなわちdextrocardia with situs inversus (内臓転位を伴った右心症)であるべきものが,心臓だけが左胸腔内に留った状態と考えられ,当然その原因の一つとして心原基の心軸の回転異常が存在するため,複雑な心奇型の合併が予想されるのである。近年の心血管外科の進歩は本症候群の合併奇型に対し外科的修正が可能か否かを検するため,その病態をより正確に診断することを要求している。我々の経験した41例,本邦において昭和43年までに発表された31例の本症候群について解剖学的,ならびに症候学的特性について検討を加えた。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.