Japanese
English
装置と方法
医用画像処理
Medical Image Processing
三浦 茂
1
Shigeru Miura
1
1東京女子医科大学医用技術研究施設
1Institute of Medical Engineering, Tokyo Women's Medical College
pp.499-504
発行日 1970年6月15日
Published Date 1970/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202153
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
"ひと"の目には,解像力やコントラストの識別に限界がある。1/1000ルックス程度の明るさしかない星空の下では,近くに人の気配は感じてもその顔を識別することは不可能であろう。
しかし電子の目によればこれが可能である。多段型のイメージ管を用いれば,1/1000ルックス程度の明るさでも明らかに顔の表情は見ることができるように,"ひと"の目の限界は電子の目によって大幅に拡げることができる。
解像力も電気回路のレベルで微分等の信号処理を行なえば非常に改善されるし,微細なコントラストも電子技術によって肉眼での観察に供しうる程度に強調することができる。
本稿では,logetronographと称される特殊な電子プリンタを,X線写真の観察に用いる問題について紹介することにしているが,医学の領域で用いられる画像処理技術は,ここで述べる他にも多くの種類がある。
今日,ガンマカメラ像の画質を高めるためにディジタル電子計算機が用いられ,さらに造影像の鮮やかな現出を目的としてsubtraction法, color subtraction法などが開発されているが,これらの問題については後日,機会があれば紹介することにしたい。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.