Japanese
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講座
気道におけるガス輸送
Gas Transport in Respiratory Airway
沢田 英夫
1
Hideo Sawada
1
1天理よろず相談所病院呼吸器内科
1Respiratory Section of Internal Medicine, Tenri Hospital
pp.493-497
発行日 1970年6月15日
Published Date 1970/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202152
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はじめに
肺の最も重要な機能が十分な酸素を供給し過剰な炭酸ガスを排出するにあることは言うまでもない。吸気によって新鮮な空気が肺内にとりこまれ肺胞まで達すると,体内から送られて肺の毛細管まできた静脈血との間に短時間の接触がおこり,分圧差によって酸素は血中にとりこまれ,炭酸ガスは肺胞にでてくる。このため低酸素,高炭酸ガスとなった肺胞気は呼気によって体外に呼出される。この現象は純粋に物理的におこり,組織呼吸における酵素作用の如き化学反応は関与しないものとされている。気道におけるガス輸送に関する最近の話題は気道内において起こるガスの拡散であるが,慣例に従い,死腔,肺胞換気,肺内ガス分布に関する古典的な事項について簡単に述べた後,主としてガス拡散の問題について解説することにする。
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