Japanese
English
Bedside Teaching
肺気腫症患者のリハビリテーション
Rehabilitation of the Patients with Pulmonary Emphysema
本間 日臣
1
,
谷本 晋一
1
,
岡野 弘
1
Hiomi Honma
1
,
Shinichi Tanimoto
1
,
Hiroshi Okano
1
1虎ノ門病院呼吸器科
1The Chest Clinic, Toranomon Hospital
pp.237-242
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202006
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まえがき
肺気腫症は,終末細気管支の閉塞とこれに由来した肺胞壁の破壊をともなう肺胞腔の異常な拡大を基本的な形態学的変化とする疾患であり,組織学的には小葉中心型,汎小葉型,巣状型の3つの基本型に分類されている。臨床症状は労作時の息切れを主とし,肺機能検査では,気道閉塞障害を特徴とし進行するにしたがい,低酸素血症,高炭酸ガス血症が現われ,終に肺高血圧症から右心不全をひき起こすにいたる。中高年の男性に多く,慢性進行性に経過する。進展のきっかけとなるものは肺炎,気管支炎などの肺内感染症である。
このように不可逆性病変を基盤とする疾患であるから,治療の目標は,進行をとどめるとともに残存する肺機能をよく保持し,かつ十分活用するような能率的な呼吸法を教え,個々の症例の障害の程度に応じて可能な限りの社会活動や社会生活をさせるよう指導することである。したがって本症患者のリハビリテーションは治療の中の重要な部分を占のることになる。以下自験症例について解説する。
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