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講座
静脈混合
Venous Admixture
鈴木 清
1,2
Kiyoshi Suzuki
1,2
1青山学院大学
2東京医科歯科大学医学部第二内科
1Aoyama Gakuin university, and 2nd Department of Internal Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.927-932
発行日 1968年11月15日
Published Date 1968/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201953
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はじめに
肺でO2を摂取してCO2を排出するガス交換機能が正常に行なわれるには換気,換気の分布,拡散および肺毛細管血流の各機能がすべて正常に働かねばならない。また呼吸および循環系の力学的機能も加味しなければならない。生体が恒常状態であるとき,肺胞レベルでガス交換障害を考えると,第一には,肺胞気が肺毛細管までのいわゆるmembrane barrierをO2が通過する拡散機能の障害であり,第二には,各肺胞における換気が均等で,しかもこれと同様に肺循環における血流が肺毛細管に均等に配分されるのが,障害されると,それは換気・血流比の不均算分布となる。第三は本稿の主題である静脈混合で,解剖学的な短絡路(シャント),あるいは機能的な障害のために混合静脈血が肺胞気と接触することなく動脈血中に流入し,動脈血中のO2を低下させる。
このようにガス交換障害を肺胞レベルでみると静脈混合は大きいウエイトを持っていることがわかる。
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