Japanese
English
綜説
呼吸に関するフィロソフィー
Philosophy of Respiration
中村 隆
1
Takashi Nakamura
1
1東北大学医学部第一内科
11st Department of Internal Medicine, School of Medicine, Tohoku University
pp.920-926
発行日 1968年11月15日
Published Date 1968/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201952
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医学研究のそもそもの課題は生命であり,その点では哲学の根本問題である"何が第一次的であるか,物質かそれとも意識か"と常に対峠を強いられ,私ども医学者は生命を哲学することから離脱することを許されない。しかしここでは,そのような生命論はさておき,科学としての医学における哲学の問題を,呼吸という生理学上の一現象を通して論じてみたいと思う。
まず初めに,科学に哲学が必要であるかどうかにふれる必要があろう。もともと,十六,七世紀頃まで科学と哲学,また科学者と哲学者の間に明確な区分がなかったことはよく知られているが,自然科学が学問の巨人にまで進展した現今では,科学者の側から哲学への不信が生まれ始めてさえいる。
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