Japanese
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講座
新生児の血行動態
Circulation and its Major Alteration of Newborn Period
駿河 敬次郎
1
Keijiro Suruga
1
1順天堂大学医学部小児外科
1Department of Pediatric Surgery, School of Medicine, Juntendo University
pp.933-938
発行日 1968年11月15日
Published Date 1968/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201954
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いとぐち
生後間もない新生児期には,呼吸,ならびに循環障害のみられるものが多く,また色々の重篤な先天性心疾患が報告されている。特に先天性心疾患をもって生まれた新生児の約1/3は,新生児期に死亡するとされている。一方,近年小児外科の進歩とともに,わが国においても従来,あまり治療の対象とされなかった新生児期の先天性心疾患に対して,積極的に治療が行なわれるようになり,その治療成績向上のためには,先天性心疾患の早期発見と同時に,新生児期の血行動態を十分に知ることがきわめて重要である。生まれて間もない新生児は子宮内で胎盤に依存していたガス交換が,肺において行なわれるようになり,子宮外生活に適応していくためには,その呼吸系,ならびに循環系に著しい変化がみられる。胎生循環,ならびに出生後の循環の変化については,従来より多数の人々の報告があるが,未だ不明の点が多い。しかし,新生児の循環系の異常を早期に発見し,適切な処置を行なうためには,新生児の血行動態を十分に理解することはきわめて重要である。
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