Japanese
English
ジュニアコース
pHの測定
The Mesurement of Blood pH
鈴木 清
1
,
田村 文彦
1
,
高木 康
1
Kiyoshi Suzuki
1
,
Fumihiko Tamura
1
,
Yasushi Takagi
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1Dep. of Internal Medicine, School of Medicine, Keio Univ.
pp.425-431
発行日 1962年6月15日
Published Date 1962/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201102
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臨床医学の領域において古くからいいつくされていながら,なお多くの問題を残しているものの一つに血液のpHがある。たとえば,糖尿病や腎臓病の末期にみられる昏睡状態は,これらの疾病において体内に貯溜した種々の酸が体液のpHを低下させたために生ずる諸臓器の機能障害すなわち代謝性アシドーシスがその基本的病態であることはすでによく知られているところであるが,このような場合にその病態の把握ないしは治療方針の決定のために,血液のpHを測定することが不可欠であるにもかかわらず,従来わが国においてはこれが実際に行なわれることはむしろ稀であつた。これは,血液のpHを測ることが技術的に極めて困難であり,その正確な測定は一部の専門家の手によつてのみ可能であるとされていたことに起因している。しかるに最近,肺機能検査法の発展と普及にともない,価夜のpH測定が,再び臨床家の重要な課題としてとりあげられ,電子工学の進歩によるpH計の性能の向上とあいまつて,ようやく広く一般に行なわれようとする形勢にある。したがつてここでは,これから肺機能検査を始めようと志す人々のために,著者らが従来行なつてきた血液のpH,測定に関する実際的な経験から二・三気のついた点を述べ,参考に供したいと思う。
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