Japanese
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原著
気管支血管系の循環動態に関する研究—第1報 気管支動脈流及び左心拍出量を同時に測定する実験方法と,その正常値
Hemodynamic Studies of the Bronchial Vascular Bed.:1. Simultaneous Estimation of Bronchial Flow and Left Ventricular Output in Dogs.
原沢 道美
1
Michiyoshi Harasawa
1
1東京大学冲中内科教室
1Dept. of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of TOKYO
pp.125-128
発行日 1962年2月15日
Published Date 1962/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201068
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I.はしがき
種々の心肺疾患において,肺動脈より肺に流入する血流が減少すると,気管支動脈を介するcollateral circulationの発達する症例のあること,又実験的に一側肺動脈を結紮すると気管支動脈流が増加すること等が種々報告1)2)せられ,注目をあびているが,その循環動態に関する研究は未だ必ずしも多くない。
気管支動脈標本3),肺葉標本等を使つての血流量の測定4),Fick法を使つてガス交換に関与する"effective"pulmonary collateral flowの測定2)5)6),左右両心室の拍出量を別個に測定してその差から気管支動脈流を求める方法等7)〜9)が報告せられているが,直接気管支動脈流を測定した方法はなかつた。最近同僚Horisberger10)は,生理的条件下で直接気管支動脈流を測定する優れた方法を見出したので,著者はこれに更に左心拍出量も同時に測定する方法を加味し,正常動物における気管支循環について,2,3の検索を行つてみた。本編にはその実験方法と正常値について報告する。
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