Japanese
English
原著
気管支血管系の循環動態に関する研究—第3報:Adrenaline及びAcetylcholineの気管支動脈抵抗に及ぼす効果
Hemodynamic Studies of the Bronchial Vascular Bed.:3. Effect of Adrenaline and Acetylcholine on Bronchial Arterial Resistance.
原沢 道美
1
Michiyoshi Harasawa
1
1東京大学 沖中内科教室
1Dept. of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Tokyo University.
pp.432-434
発行日 1962年6月15日
Published Date 1962/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201103
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I.はしがき
正常肺血管床は体循環系血管に比し,神経ならびに薬剤に対する反応が弱いことが指摘せられている1)。著者等も肺循環の調節機構を明らかにする目的で種々の実験を行いつつあるが,体循環系血管に対し著明な血管拡張作用のあるtetraethy—lammonium chloride及びaminophyllineが,肺血管抵抗には何等の影響を及ぼさないことを認め,これを既に報告2)した。
しかしながら,肺のもう一つの血管系である気管支動脈は,大動脈又は肋間動脈から直接分岐しているので,その神経刺戟及び薬剤に対する反応性も,当然肺血管床のそれとは異ると思われる。Bruner及びSchmidt3)は迷走神経の刺戟により右主気管支動脈流の著明な増加,星状神経節から出ている交感神経の刺戟によりその減少を認め,気管支動脈がこれらの神経性調節を受けていることを報告している。そこで著者等はadrenaline 及びacetylcholineの本血管床に及ぼす影響を検索し,夫等薬剤により著明な血管抵抗の変化を認めたので,その成績をここに報告する。
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