Japanese
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特集 呼吸機能の不均等分布
ガス分布異常とガス拡散
Distribution Disturbances of Inspired Gas and Diffusion of Gas
佐々木 孝夫
1
Takao Sasaki
1
1東北大学医学部第1内科学教室
11st Department of Internal Medicine, Tohoku University, School of Medicine
pp.661-667
発行日 1971年8月15日
Published Date 1971/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202293
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はじめに
現在,ガス分布といえば,いわゆる肺胞気の肺内分布が血液との関連でpararellの存在として関心がもたれている。しかしながら,肺胞気と死腔気とに区分することが,そもそもガスがある分布をすることを明らかにした考えであり,ただ解剖学的死腔の存在はいかなる肺でも,正常な状態であり,この型の分布は当然あるものとしてガス分布として注目されなくなったのが現状といえる。
ガス分布の状態は,肺は容積を持っており,3次元で表現されるべきではあるが,構造機能的には,肺胞気の上葉—下葉間の相異の如く,pararellの関係にある分布様式と,気道—肺胞間のガス濃度差の如く,seriesの関係の分布様式で満足できる。前者はラジオアイソトープの導入により,regionalな不均等分布として確立してきたものであり,後者はstratificationあるいはstrati—fiedの不均等分布といわれているものである。
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