Japanese
English
綜説
ヘモグロビン—構造と機能を中心として
Hemoglobin:its structure and function.
林 昭
1
Akira Hayashi
1
1大阪大学医学部山村内科
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Osaka University.
pp.677-684
発行日 1965年9月15日
Published Date 1965/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201488
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はじめに
われわれの体を構成する成分の一つであるヘモグロビンの構造の研究は,現在の蛋白質化学の進歩と歩みをともにし,しかも常にその最先端にある。これは正常のヘモグロビンについてだけでなく,異常ヘモグロビンについても同様で,今日のいわゆる"分子病"という概念1)が確立されたのは,鎌型赤血球貧血(sickle cell anemia)の患者からヘモグロビンを分離したことにはじまったといわれている。
われわれの体の微妙な働きを理解する一つのモデルとして,このヘモグロビンの機能を構造と結びつけて具体的な形で把握することは,現在ではある程度まで可能となってきているので,以下最近の知見を簡単に紹介したい。
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