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文献抄録
乳児期における二次孔欠損症とうっ血性心不全—Ainge, L. E., and Pate, J. W.Am. J. Cardiology.,15:380〜385,1965./Redistribution of regional blood flow in hypothermia.—Delin, N. A.,Kjartansson, ,K. B., Pollock, L.. and Schenk, W. G.,J. Thoracic and Cardiovas. Surg.,40:511〜516,1965.
Ostium Secundum Atrial Septal Defects and Congestive Heart Failure in Infancy.
pp.684,745
発行日 1965年9月15日
Published Date 1965/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201489
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心臓中隔欠損症のうち心室中隔欠損症の場合は乳児期における心不全・肺合併症による死亡が強調されることが多いが,心房中隔欠損症(二次孔欠損)の場合はその様なことが少く一般的には乳幼児期は良好な経過をたどるとされており,筆者の経験からも同様の印象を受けている。しかし二次孔欠損でも時に乳児期すでにうっ血性心不全に陥り重篤となることが,数は少いが報告されている〔Disenhouse, et al.(1955),Keith(1958),Hastreiter, et al. (1962)〕。この論文も乳幼児期におりて二次孔欠損によるうっ血性心不全を示した3例に関する報告である。
第1例は5日目よりうっ血性心不全の症状を示し,内科的治療により改善せず,6週目にSondergaardの手術法による欠損孔の縮少が行われて著効が得られた。第2例は3カ月で発症し,動脈管が開存していたので結紮した所,症状は改善したが,6カ月で再び増悪した。これは動脈管の結紮によって肺血管抵抗及び肺動脈圧が下降し,それにより右室のfillingに対する抵抗が減少した結果,二次孔欠損を介する左右短絡が増加したためと考えられる。体外循環による開心術で欠損孔が閉鎖され著効を得た。第3例は12カ月迄は無症状であったが,16カ月に到り重篤な心不全症状を示し,体外循環による開心術で欠損孔が閉鎖されたが手術後死亡した。
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