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講座
ガスの運搬(2)—O2の拡散を中心にして
Gas Transport (2):Practical Analysis of O2 Diffusing Capacity.
望月 政司
1
Masaji Mochizuki
1
1北海道大学応用電気研究所
1Research Institute of Applied Electricity, Hokkaido University
pp.429-433
発行日 1965年6月15日
Published Date 1965/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201456
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はじめに
前報においては,肺胞気および動脈血Po2較差について述べ,それの起こる原因の一つに拡散不足を挙げた。従来,O2の拡散は肺胞膜によってその速度が決定されると言われていた。ところが,1956年に至ってRoughton,Gibson1)らは赤血球の酸素化の速度はそれ迄考えられていたほど迅速に起こるものではなく,またそれはO2の飽和度によっても影響を受けると報告した。このことは肺における拡散現象を取り扱う上にかなり重要な問題を提起した。なぜならば,今から50年以上も前にBohr2)によって導入され,そのまま用いられていた拡散能力のもつ意味についても改めて考え直す必要がでて来たからである。本稿においては赤血球の酸素化速度を考慮した場合の拡散能力の意味について記述を進めたい。
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