Japanese
English
綜説
aADN2の換気血流不均等分布検査への臨床的応用
(a-A) N2 Difference as a Method Estimating Uneven Ventilation Perfusion Relationship.
本間 威
1
,
長浜 文雄
1
,
小野寺 壮吉
1
,
大崎 饒
1
,
片岡 紀夫
1
,
牧野 幹男
2
Takeshi Homma
1
,
Fumio Nagahama
1
,
Sokichi Onodera
1
,
Yutaka Osaki
1
,
Norio Kataoka
1
,
Mikio Makino
2
1北海道大学医学部山田内科
2北海道大学病院中央検査室
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Univ. of Hokkaido.
2Clinical Rescarch Center. Hokkaido University Hospital.
pp.328-336
発行日 1965年5月15日
Published Date 1965/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201441
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はしがき
肺胞ガスの組成は換気と血流の分布状態によってきまり,換気血流分布の不均等性は肺のガス交換の機能を決定する最も重要な因子である。換気,血流の量的関係とそれに由来する肺胞ガスの変動については,Riley and Cournand1),Rahn2)等によって詳細に論じられており,また各種呼吸器疾患において,換気血流分布が均一でないことは既に多くの研究者によってのべられているが,複雑な難しい多くの因子が含まれているため,これを正確に定量的に測定する完全な方法は現在のところ見いだされていない。したがって重要な問題であるにかかわらず,一部の研究室で研究されているのが現状である。しかし,われわれ臨床家にとって今後この方面の研究が充実し,臨床的に広く応用され得るような方法の発見が期待されるのである。
換気血流分布の不均等性を定量的に測定しようとする試みは,Riley and Cournandによって初めて行なわれて以来,radioactive gasを用いる方法にまで発展している。1957年Canfield andRahn3)がarterial-alveolar N2 difference(以下aADN2)によって換気,血流分布の不均等性を定量的に表わした方法は,測定法の改善により臨床的にも応用されつつある。
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