症例検討
遷延性心内膜炎,狭心症,心房細動を伴った大動脈弁口狭窄兼閉鎖不全症の1例
広沢 弘七郎
1
,
坂本 敦
1
,
織畑 秀夫
1
,
服部 淳
1
,
高尾 篤良
1
,
大沢 幹夫
1
,
田中 孝
1
,
渋谷 実
1
,
平塚 博男
1
,
横山 正義
1
,
三森 重和
1
1東京女子医科大学心臓血圧研究所
pp.200-205
発行日 1965年3月15日
Published Date 1965/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201424
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病歴
主治医(坂本) 20才の男,何回も入院をくり返した経歴のある患者さんですが,今回の入院時の主訴は,発熱,心悸亢進,咳,喀痰です。家族歴に格別のことはありません。既往歴も,幼少時に弱くて風邪をひきやすかったというだけで特別のことはありません。関節リウマチ,腎疾の歴史はありません。
現病歴:昭和32年,14才,38℃にいたる発熱が約2週間つづき,遷延性心内膜炎の診断で某病院に2カ月入院。昭和34年10月頃から胸痛ないし胸部圧迫感をともなった心悸亢進発作が起こるようになりました。持続は30分ないし1時間,次第に頻度を増し,多い時は毎日1回は起こるようになりました。このために,昭和35年夏,第2回目の入院をしています。当時すでに血圧170/0mmHg,聴診上,左第III肋間胸骨縁に拡張期雑音,心尖部に収縮期雑音を認め,また発作時心電図でSTの下降を認めたそうです。
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