Japanese
English
綜説
先天性心疾患(II)—心房中隔欠損症
Congenital Heart Disease(II):Atrial Septal Defect.
服部 淳
1
,
岩淵 汲
2
,
高橋 敬亮
2
,
猪俣 和仁
2
,
近藤 瑞香
2
,
大沢 幹夫
2
,
渋谷 実
2
,
金井 美津
2
,
高尾 篤良
2
Jun Hattori
1
,
K. Iwabuchi
2
,
K. Inomata
2
,
M. Kondo
2
,
M. Osawa
2
,
M. Shibuya
2
,
M. Kanai
2
,
A. Takao
2
1東京女子医大
2東京女子医大外科,心臓血圧研究所
2Dept. of Surg, & Heart Institute Tokyo Women's Medical College.
pp.236-247
発行日 1960年4月15日
Published Date 1960/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200874
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I.緒言
先天性心疾患は発生学上の組合せにより数多くの疾患が成立する。中隔欠損についても単独に来るものと,他の合併,例えば肺動脈狭窄の合併により,遅発性チアノーゼ群と早発性チアノーゼ群を作る。然しその診断に当つて,既往歴,自覚症,理学的所見,心電図,胸部レ線所見,出来れば心音図を詳細に分折理解する事により,その半数以上は適確に診断し得るものである。
心房中隔欠損症は1765年Morganiにより報告され,以来卵円孔開存を含めて比較的予後良好な先天性心疾患とされているが,本症による短絡が明らかな場合は必ずしも予後良好とはいえず屡々肺高血症を伴う重篤な疾患である事が知られて来た。本症の中には卵円孔開存,所謂二次孔,一次孔,及び心室中隔欠損に連なる共通房室弁口残遺が広く含まれるが,一般には所謂二次孔欠損と一次孔開存を含めて心房中隔欠損と呼び,卵円孔開存,共通房室弁口残遺は含めるものと含めないというものがある。
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