症例検討
重症僧帽弁口狭窄症例の手術適応を中心にして
広沢 弘七郎
1
,
岡田 薫
1
,
榊原 仟
1
,
織畑 秀夫
1
,
高尾 篤良
1
,
服部 淳
1
,
大沢 幹夫
1
,
渋谷 実
1
,
別府 俊男
1
,
藤倉 一郎
1
,
三森 重和
1
,
草川 三治
1
1東京女子医科大学心臓血圧研究所
pp.48-53
発行日 1965年1月15日
Published Date 1965/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201403
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病歴
司会(広沢) それでは症例を紹介して下さい。
主治医(岡田) 44才主婦,主訴は呼吸困難です。家族歴に特別のことはありません。既往歴では,14才肋膜炎,24才虫垂切除の他に特別のことはありません。関節リウマチの歴史はありません。今度の病気は約10年前に始まります。当時,千葉から4,5貫目のお米を背負って帰る途中,新宿駅で急に呼吸困難,心悸亢進,胸部圧迫感が起こったのが始まりです。少し休んだ後,とにかく家まで帰り,診察を受けて心臓病と分りました。以後,継続して治療を受けていましたが,3,4カ月後のある朝,布団の上に意識を失なって倒れているのを家人に発見されました。3日後に意識は回復しましたが,右片麻痺を残しております。その後,不規則に治療を断続しておりますが,薬が切れると呼吸困難が強くて歩くことも出来なくなり,服薬し始めると4,5日でまた楽になるという様なことを何回も繰返して今日に至って居ります。調子の良い時には炊事,草むしり位のことはしていた様です。
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