Japanese
English
講座
肺胞蛋白症
Pulmonary Alveolar Proteinosis.
野崎 幸久
1
Yoshihisa Nozaki
1
1東京医科歯科大学第1内科教室
1the 1st. Dept. of Int. Med., Tokyo Medical Dental University, School of Medicine.
pp.704-713
発行日 1964年10月15日
Published Date 1964/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201366
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はじめに
肺胞蛋白症Pulmonary alveolar proteinosisは,比較的最近になつて,独立疾患とじて認められたもので,症例数もまだ少いが,特有な肺所見を示す疾患である。1958年6月,米国の3病理学者Rosen,CastlemanおよびLiebow1)は,過去5年間に観察した症例の中で,肺胞が脂質に富んだPAS陽性の蛋白様物質で満たされた特異な慢性肺疾患を有する27症例を認め,これを一つの疾患単位とみなし,Pulmonary alvcolar pro—teinosisと名付けて報告した。この27例の中,16例はArmed Forces Institute of Pathology(Rosenのところ),7例はYale University, School of Medicine(Liebowのところ),4例はMassachusetts General Hospital(Castle—manのところ)で受取つた検体であつた。第1番目の材料は,1953年7月Massachusetts Gen—eral Hospitalで,肺生検によつて得られたが,Castlemanが検査してよく分からなかつたため,Liebowに相談した。Liebowもそれ迄これに似た病像をみたことがなかつたが,その後1955年と1956年に同様の所見の標本を検索させられた。
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