Japanese
English
綜説
運動と臨床(2)
The Clinical Aspect of the Muscular Exercise. (2)
岡村 輝彦
1
Teruhiko Okamura
1
1浦和市立結核療養所
1Urawa Municipal Sanatorium.
pp.468-476
発行日 1964年7月15日
Published Date 1964/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201335
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VII.呼吸器
運動に直接関係する臓器は骨格筋,骨関節であるが,呼吸器,循環器及び血液は運動のエネルギー源の運搬系として,神経系は協調運動の中枢として筋運動の不可分の構成単位である。また肝はエネルギー源の代謝と関係する。これら臓器の疾患としては実に多くのものが挙げられる。筋や骨関節の一次的疾患は勿論,中枢及び末梢の運動神経系の疾患のほかにNeuromuscular trans—missionの障害も挙げられる。また運動エネルギーの発生又は利用の障害された疾患(第2表)もある。しかしここではエネルギー源の運搬系についてその運動時の生理と病態についてまず呼吸器から述べる。
呼吸器は大気から肺胞毛細管血に至る酸素の運搬にあずかる。運動による酸素需要の増加は換気量と酸素摂取率の増加を必要とする。後者は換気,ガス交換ならびに循環のすべてに関係する指標である。換気に関与する因子としては換気刺激,呼吸中枢及び呼吸筋ならびに肺胸廓系,さらにこれらを結ぶ神経系と循環系がある。
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