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綜説
リウマチ性心疾患について
Review:Rheumatic heart disease
岡村 輝彥
1
Teruhiko Okamura
1
1慶応大学医学部内科教室
1School of Medicine, Keio Univ.
pp.393-399
発行日 1959年4月15日
Published Date 1959/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200754
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I.はじめに リウマチは欧米においては甚だ多く罹患率は精神病についで第2位とされ,各国とも結核症の7〜10倍,スェーデンでは36倍といわれている。大部分亜熱帯のわが国ではそれ程ではないまでも相当の患者数が推定されるが,まだ完全な調査も行われていない。リウマチが関節とともに心を侵すことはBouillard(1836)以来明らかであるが,死因としての心疾患の第1位である動脈硬化性心疾患に次ぐものはリウマチ性心疾患であつて1/4を占め,第3位が梅毒性心疾患である1)。昭和30年のわが国の死因統計では動脈硬化性及び変性性心疾患が56.1%,リウマチ熱及び慢性リウマチ性心疾患は5.8%である2)。ノルウェーでも前者と後者の比は10:1(1951)であるが,剖検では4:1であり,なお高血圧性心疾患とリウマチ性心疾患とはほぼ一致した3)。 しかし国際死因分類No. 421の「リウマチと明示されない慢性心内膜炎」の中にはリウマチ性のものをかなりふくむと考えられる。
発病の時期については3才以前は稀で我国では殆ど5〜15才である4)。しかし北欧等では30才位までかなり多い3)。
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