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文献抄録
肺癌に対する両側肺切—Cliffton, E. E.;Das Gupta, T. and Pool, J. L.:Cancer17(1):86〜94,Jan.1964.,他
Bilateral pulmonary resection for primary or metastatic lung cancer
pp.362
発行日 1964年5月15日
Published Date 1964/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201320
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Mem. Hosp. f. Cancerで1側葉切を行つてから1.5〜12.5個月のちに他側肺癌に第2回葉切を行つた10例をのべた。両側とも原発,1側は他側からの転移,両側とも他部癌転移(睾丸・腎の癌,黒色腫)の3群になる。後から省みて,適応をえらんで両側肺切を行うことはdefi—nite therapeutic Valueがあるというのである。一般に肺切後3年以上生存しうると永久治療のチャンスが高いが,しかしそうした長期生存者に同側・他側の転移から5〜10年の間に生じることもあり,そのある%は多中心発生の原発癌で,肺切後も喫煙しているものには当然のことでもある。第2病巣が原発であるという診断はむずかしいが,第1巣と組織像が異なり,気管支にCa in situが証明され,肺門リンパ腺転移があり,病巣が肋膜を破らず限局していれば原発と見てよいだろう。肺以外では多中心発生の第2癌治療に成功しうるものがあり,乳癌,結腸癌などその代表である。肺では1側肺切についで第2癌に他側肺切が積極的に行われはじめたのは,そう数多くない。Payne (J. Thor. Surg. 36: 166, 1962)は4側経験し,うち2例は第2回肺切まで7〜9年の間隔があつた。著者10例は第2回手術で,手術死2,12個月内の死亡4例,24個月内死亡3例,残る1例は53個月後健存している。
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