Japanese
English
原著
肺拡散に関する研究 第1報—肺胞膜拡散能力並びに肺毛細管血量測定の臨床的意義と問題点
Measurement of the Membrane Diffusing Capacity and Pulmonary Capillary Blood Volume in Cardiopulmonary Diseases.
中村 隆
1
,
滝島 任
1
,
高杉 良吉
1
,
大久保 隆男
1
T. Nakamura
1
,
T. Takishima
1
,
R. Takasugi
1
,
T. Okubo
1
1東北大学医学部中村内科教室
1The 1st Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Tohoku University.
pp.375-380
発行日 1963年5月15日
Published Date 1963/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201210
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I.序論
1957年Foster,Roughtonらは肺の一酸化炭素拡散能力を膜拡散能力と血液内拡散能力(肺毛細管血量)の両者に分離し測定する原理並びに方法を発表した1)。その結果COはヘモグロビンと瞬間的に結合ばするのではなく,測定しうる範囲の速度で行なわれる為2)3),その反応速度(θ)及び肺毛細管血量が拡散能力に著しい影響を与える事を明らかにした。
したがつて従来の方法により測定された拡散能力値から肺胞膜の拡散障害を考察することは無意味なことになり,各種肺線維症に於ける肺胞膜の拡散を云々する場合には,膜拡散能力の測定が不可欠且つ重要な課題と考えられるに至つている。
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