Japanese
English
原著
犬摘出肺の副行換気に関する実験的研究
Collateral Ventilation in Excised Lung of the Dog
中村 隆
1
,
滝島 任
1
,
高杉 良吉
1
,
松崎 広近
1
,
工藤 国夫
1
,
佐々木 隆夫
1
,
石川 皓
1
T. Nakamura
1
,
T. Takishima
1
,
R. Takasugi
1
,
H. Matsuzaki
1
,
K. Kudo
1
,
T. Sasaki
1
,
K. Ishikawa
1
1東北大学中村内科
1The 1st Dept. of Internal rnedicine, School of Medicine, Tohoku Univ.
pp.841-845
発行日 1962年12月15日
Published Date 1962/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201163
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I.いとぐち
van Allenら,Baarsmaらの動物実験,Baar—smaらの人体実験などによつて,哺乳動物のいくつかの種類に於て,肺胞間に気道を介さない換気すなわち副行換気(Collateral ventilation)の存在することは明白な事実と考えられている。副行換気は肺局所の無気肺や過膨脹を防止する一種の緩衝作用を演ずるものと思われ,さらにはMc Leanの如く慢性肺気腫の発生因子として重視する見解もあり,又肺生理学上も肺内ガス分布,呼吸死腔,換気血流分布に与える影響が大きく,換気力学的にも見かけ上著しいヒステレシスを起す可能性があり,さらに追求すべき問題と考えられる。とくに副行換気の量,速度,抵抗,ならびに換気数や肺気量との関係などについては,今日までのところ定量的測定に乏しく,未解決な面が少くない。
私共は犬摘出肺について換気力学的立場より考察し上記諸条件が副行換気に与える影響を検討した。
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