Japanese
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特集 拡散
肺胞膜における拡散—肺拡散能力
Pulmonary diffusing capacity and its interpretation
吉田 稔
1
Minoru Yoshida
1
1福岡大学医学部内科
1Pulmonary division, Intern. Med., Fukuoka Univ.
pp.651-658
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203221
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肺胞膜におけるガス拡散いわゆる肺拡散能力に関しての理論的基礎は,1914年Krogh1)によって確立された。1954年に至りForster2)3)らはその当時まで技術的に難点とされていた"肺毛細血管に摂取される直前の肺胞気CO濃度"の測定を容易にし,1回呼吸法によるCO肺拡散能力CO Diffusing capacity (DLco)測定法の臨床応用への道を開いた。その後,肺拡散能力測定に関して種々の方法が開発され3)〜6),今日では広く臨床的にも基礎的研究にも応用されて来ている7)〜14)。しかしながら,種々の方法によって得られた測定値,指標についての生理学的意義,評価に関し多くの問題点が指摘されている14)〜24)。
その第1の点は,生理学的には肺拡散能力が,肺胞毛細管膜でのガス拡散能を測定することを目指し,そのために物理学での気相,液相間の拡散現象にその理論的根拠をおいているが肺拡散能力と物理学上の拡散の両者は,本質的に異る。
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