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綜説
呼吸中枢
Respiratory Center
滝島 任
1
Tamotsu Takishima
1
1東北大学医学部中村内科
1The 1st. Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Tohoku University.
pp.196-206
発行日 1963年3月15日
Published Date 1963/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201186
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はじめに
過去10年間本邦に於ける肺生理学は著しい進歩を遂げ,臨床検査として不可欠な地位を確保したと云つてよいが,その中で呼吸中枢の病態生理並びにその臨床的評価は,盲点の1つであると云つてよい。呼吸中枢(正しくは換気中枢と云うべきだが此処では従来の慣習に従うことにする)は今日尚不明な点が数多く,その存在或は局在についての根本的問題に於てさえ確定的な結論がえられているとは云い難い。従つて肺生理学としても現在尚難問題をかかえているので,之の検査法を確立し直ちに臨床応用にまで結びつけることは無謀に近いことではあるが,今日臨床的に問題とされているCO2中毒症候群,肺胞低換気症候群,過剰換気症候群,気管支喘息に於ける精神身体医学的問題,運動負荷時の過剰換気,等を処理するには呼吸中枢に関する解明がまず前提となる。著者はかかる背景に立つて,呼吸中枢に関する近年の概念,並びに臨床的問題を中心に記述する。
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