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特集 呼吸機能障害
第17回日本医学会総会・44シンポジウムより
呼吸機能障害の換気力学的検討
Studies on the Mechanical Properties of the Lungs
滝島 任
1
Tamotsu Takishima
1
1東北大学医学部第一内科
11st Department of Internal Medicine, School of Medicine, Tohoku University
pp.743-747
発行日 1967年9月15日
Published Date 1967/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201812
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I.換気力学からみた肺の構造
肺・気管支系は気管から気管支・細小気管支をへて肺胞に連なる立体的構成を示し,肺胞レベルにおける肺胞の広がりを一つの平面(XY面)としてとらえるならば,気道系はこれに垂直に交わるZ面に投影される。したがって呼吸機能障害は肺胞の広がりにおける換気力学的異常と,気管支系における換気力学的異常,ならびに両者の相互関係によってその換気障害が形成されると考えられる。
肺胞部における換気力学的異常として重要なものは,肺局所における肺胞の弾性異常すなわちコムプライアンスの低下と上昇であり,この正常からの逸脱が機械的時定数の肺内不均等分布の重要な因子である。次に重要なのは各肺胞気置変化に時間のずれが生じ,気量の変化率に差をきたした場合,肺胞相互間にいかなる干渉が生じ,張力の肺内分布が不均等になるかの問題である。さらに各肺胞ことに上葉,下葉との間で加わる胸腔内圧が不均等である点も注目される課題と考えられる。
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