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綜合医学賞入選論文
変量式ヘリウム閉鎖回路法による肺内ガス分布測定に関する研究
Studies on the Measurement of the Intrapulmonary Gas Distribution by the Helium Closed Circuit Method Using Changeable Volume Modification
金上 晴夫
1
,
白石 晃一郎
1
,
桂 敏樹
1
,
馬場 健児
1
,
尾形 和夫
1
,
田中 元直
1
Haruo Kanagami
1
1東北大学抗酸菌病研究所
1The Rearch Institute for Tuberculosis and Leprosy, Tohoku University.
pp.755-768
発行日 1961年11月15日
Published Date 1961/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201034
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I.緒言 肺の基本的機能であるガス交換は換気,分布,拡散及び肺循環によつて行われるので肺内ガス分布の測定は単にガス交換障害の原因を調べるばかりでなく肺胞換気の効率を測定する意味からも重要な検査法である。従来肺内ガス分布異常の検出にはDarling1)の肺内ガス混合指数及びFowler2)の酸素一回呼吸法が窒素を指示ガスとする方法として最も広く用いられ,更に肺内窒素洗出曲線の分析による窒素洗い出し速度やSlow spaceの測定法がcournand3),Fowler4)及びRobertson5)らによつて報告されている6)〜11)。一方ヘリウムを指示ガスとする方法としては1949年Meneely及びKaltrieden12)が定量式閉鎖回路法を用いてヘリウム平衡時間を,1950年Bates及びChristie13)はMixing efficiencyを,1952年Briscoe14)はSlow spaceの測定を行い,更に1954年にはBlair及びHickam15)は閉鎖回路法を用いてSlow spa—ceの測定を行い,夫々肺気腫において著明な変化を認めたと報告している。1957年Meneely17)は機能的残気量測定方法として従来の定量式閉鎖回路法を改良して,予め7〜10分間患者が呼吸消費出来る酸素を附加しこの間に肺—レスピロメーター回路中の酸素,ヘリウムの混合,平衡を図る変量式閉鎖回路法を発表した。
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