Japanese
English
綜説
肺内ガス分布
Intrapulmonary Gas Distribution
笹本 浩
1
Hiroshi SASAMOTO
1
1慶大医学部
1School of Medicine, Keio University
pp.706-716
発行日 1956年10月15日
Published Date 1956/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200419
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
肺機能に関する臨床生理学的研究の重要性が,わが国においても近年,次第に広く認識されるようになつたことは,誠に喜ばしい。肺機能は,気相,血液相(肺循環系),及び両相を関係ずける肺胞作用とに分けられるが,通常は気相面の検索から行われることが多い。
気相面では,肺活量,残気量などの肺気量分画が主として測定されるが,これは単なる気相のスペースに関する検索にすぎない。出来れば更に,肺を出入する気体が,肺本来の機能であるガス交換に如何に関与するかも知りたい訳である。換言すれば,実際ガス交換に役立つ有効肺胞と,ガス交換に役立たない無効肺胞とに外気が如何に配分されるか,更に咽喉・気管・気管支などの解剖学的死腔への配分なども分離・測定したい訳である。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.