Japanese
English
綜説
バリストカルヂオグラフイー(臨床との関連)
Ballistocardiography, Clinical Studies.
板津 英孝
1
Hidetaka Itatsu
1
1国立名古屋病院内科
1Nagoya National Hospital, Internal Medicine
pp.556-563
発行日 1957年8月15日
Published Date 1957/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200524
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒 言
循環動態の有力な補助診断法としてバリストカルヂオグラフイーが登場してから未だ日浅く,世界的に理論と臨床の両面に亘り日夜研究が進められているにも拘らず,尚,未解決の点が多い。然し乍ら,現在,一応の体系は出来上つたと考えられるので,茲に特に臨床面との関連について考察してみたいと思う。
バリスト波形読影に当つて吾々臨床家が最も注意しなければならないことは,バリスト波形生成には極めて多くの因子が関与していることである。心臓は複雑な外部及び内部機構に包含されていて,Ballistic Forceを純粋に表現することは極めて困難であり,従つてバリスト波形分析を以て直ちに力学的に循環動態を推定するには可成り慎重を要する。又,バリスト装置の相違によつて(即ち,electromagnetic type,high frequency table,low frequency table等)波形が異ることも考慮に入れる必要がある。更に,同じ装置で撮影しても,年令,性,体重,身長,血圧,血色素量,基礎代謝,撮影時の精神状況等により可成り波形が左右されることも注意すべきである。更に,ノイズを避けなければならない。即ち,室温を快適にし,患者を安静な精神状態に置くことが大切である。このノイズの入り易い疾患又は病状の時にはバリスト波形を撮影しても無意味であることも知つておかねばならない。
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.